おかき・あられと
せんべいの違い
おかき・あられとせんべいは原料となる米の種類が違います。
おかき・あられはもち米で作られ、ほかには餅、赤飯、おこわなどがあります。
せんべいはうるち米で作られ、普段食べているご飯もうるち米です。
※全国米菓工業組合HPより引用
では、もち米(餅米・濡米)とうるち米(粳米)は何が違うのでしょう?
見た目は、もち米が乳白色で不透明なのに対し、うるち米は透明感があり米の中が透けて見えるという違いがあります。
しかし、一番の違いは米の主成分であるでんぷんに由来する「粘り気」です。 でんぷんはグルコース(ブドウ糖)が鎖状に結合したもので、サラサラ感のアミロース(直鎖状)とモチモチ感のアミロペクチン(分岐鎖状)があり、もち米はほぼ100%アミロペクチンなのに対し、うるち米はアミロースとアミロペクチンが20:80で構成されています。
アミロペクチンは分岐鎖の間に水分子を抱えるため、アミロースに比べて吸水性・保水性ともに良いらしく、冷えて固まるまでの時間や、乾燥させて水分を下げるための時間が長くかかります。そのためおかき・あられの製造日数はせんべいより長くなるのです。
また、おかき・あられは分厚いものから薄っぺらいものまで様々ですが、せんべいは比較的に薄いものが多いかと思われます。それはアミロースが含まれているため、アミロペクチンだけのものに比べて膨らまないからです。
おかき・あられ・
せんべいの由来
おかきの語源
昔は鏡餅を槌で割ったものを「欠き餅」と呼び、それを焼くなどして食べていました。この「欠き餅」を由来として誕生したのがおかきであり、宮中の言葉で欠き餅を「おかき」と呼んでいたことが語源となっているようです。
あられの語源
あられはもちを砕いて炒る際に出る音や、膨らんだ時の形が霰(あられ)にそっくりだったことが語源であられと呼ばれるようになったようです。
せんべいの語源
草加宿で「おせん」と呼ばれるおばあさんが茶店を出し、団子を販売していました。売れ残った団子を平らにして焼いたことが煎餅のはじまりではないかと言われています。
製造方法の違い
このように、おかき・あられもせんべいもお米を使ったお菓子、米菓という点では同じですが、そもそも原料となるお米そのものが違うのです。また、もち米の品種には柔らかいものと硬いものがあるらしく、柔らかいものは餅やおこわに、硬いものはおかき・あられに適しているそうです。
うるち米が上位4品種で作付面積の半数以上を占めるのに対し、もち米は県ごとに主力となる品種が違い地域の特性が現れます。富山県では、作られるもち米の約67%が新大正糯です。もち米の中でも柔らかめで、粘り・甘味ともに強く、高品質といわれる新大正襦は、ほぼ富山県でしか作られておらず、そのほとんどを富山県内で消費されてしまう美味しいもち米です。
あられ・おせんべいの日
全国米菓工業組合では、米菓の需要拡大事業として、11月の「立冬の日」を「あられ・おせんべいの日」と定めました。
新米でつくられた美味しい「あられ、おせんべい」をおともに、コタツに入り家族団らんを楽しんで頂きたいという気持ちから「立冬の日」が選ばれたそうです。米菓離れが進んでいると言われる若者にも共感を持ってもらえるように響きのよいネーミングとして「ウェルカム・ウィンター・デー」と名付けられました。
全国米菓工業組合(https://www.arare-osenbei.jp/)
富山県の 「新大正糯」
新大正もち米は、1961年(昭和36年)に富山県で「新大正糯(もち)」として品種登録されたお米です。