商品造りへの想い
米菓において生地の美味しさ(もち米がもつ本来の「甘さ」「香り」)は最も重要であると考えます。
生地造りの基礎となる「米」と「水」。富山は自然の恵み豊かな最高の地といえます。
精米に始まる米菓造りですが、周りの環境(気温・湿度など)においても、
素材の体調(生地の水分・温度など)においても、ひとつとして同じもの同じときはなく、毎日「顔」が違います。
蒸し・乾燥・焼きのどの工程においても、その加減は日々変わります。
それらの調整は経験を基にするよりほかないのですが、
数値化することで少しでも伝達しやすく分かりやすくなるようにしています。
北越では、長年の経験を基に変わらぬ味を守り続けるとともに、
新しい世代に受け入れられる新しい味を目指して商品造りをしています。
素材
国産もち米100%
富山県は全国に名だたる米どころ。標高3000m級の山々が連なる北アルプスが、その南東部にそびえたちます。
北アルプスから流れる急流河川は、かつては度々氾濫を起こしていたそうです。氾濫は、北アルプスの湿原や森林地帯の豊富な栄養を含み、肥沃な土に恵まれた平野を造り出しました。
そこで育まれた美味しいお米を中心に、国産もち米にこだわった商品造りをしています。
美味しい水 富山
富山県の県土面積の約67%を占める森林は、緑のダムとして水を蓄え、天然のフィルターの役割を担っています。その雄大な山々に積もった雪を豊かな水源とし、扇状地の地下をゆっくり流れながら研ぎ澄まされていきます。そのため富山県は全国でも有数の美味しい水の産地となっています。北越では、その一つである庄川水系の地下水を地下100mの水脈よりくみ上げ、おかき造りに使用しています。
おかき・かきもちを さらに美味しくする副素材
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富山湾の白えび
生きている白えびは、透き通ったピンク色でキラキラと宝石のような姿をしています。日本近海の深海(150~300m)に生息する固有種ですが、商業漁獲がされているのは富山県だけです。それは富山湾特有の藍瓶(あいがめ)と呼ばれる海底谷に集まる白えびを漁獲することができたからです。また、生のものは傷みが早く、鮮度の高いものほど透明度も高いのです。
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淡路島産 たまねぎ
淡路島の特産品である淡路島産たまねぎは、一般的なたまねぎと比べると甘く、水分豊富な為やわらかく、辛みが少ないといわれています。
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北海道産 昆布
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北海道産 黒豆
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沖縄県産 黒糖
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鹿児島県産 ごぼう
製法
生地の美味しさは製餅で決まります。 米粒から蒸し上げることで米本来の風味を引き出し、商品の特性に合わせた配合で粒子の細かい米粉を混ぜます。淡路島産たまねぎや北海道産黒豆・昆布など練り込む副素材にもこだわりがあります。 蒸しあがった米・粉は、複数の練り機・杵搗きで餅にし、塩や副素材を加え空気を抱かせながら練り上げます。色・粘り・キメの細かさ・コシ(弾力性)・のび(伸縮性)をみながら仕上げていきます。
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もち米の品種により水分の保持率が違うため蒸気のあて方を変え、水分をコントロールします。
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出来上がった餅を引き伸ばし「ねばり」「キメの細かさ」をチェックします。
餅生地を規格サイズに切断し、風を当てる時間と休ませる時間をくり返しながら、決められた水分値まで乾燥させます。 厚みのある生地は、一晩寝かせるなど、数日かけてゆっくり乾燥させていきます。 水分値の違いが、焼き上げたときの食感・外観を大きく左右します。乾燥は日々の気温・湿度・生地の状態をみながら自然を相手にコントロールする大切な工程です。
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乾燥の際、生地の表面に入るひび割れは、キレイに焼き上げるための土台になります。
生地の中の水分を一晩寝かせることで水分を均一にさせます。均一にさせることで焼き上がりのムラを無くすことができます。
予熱・浮かし・芯抜・焼色と役割が違う4つの釜のトンネルを通して焼き上げます。商品の水分値・天候をみながら釜の温度やスピードを変え、規定のサイズ・食感に仕上げます。ここで最終的な食感・形状が決まるのです。
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高周波釜製法 生地内部の水分を摩擦熱により加熱し、ソフトな食感に焼き上げます。
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ガス直火焼製法 生地の表面からじっくり熱を加え、焼き上げます。